2009年10月(改訂第14版)

日本標準商品分類番号

i

872412

医薬品インタビューフォーム

日本病院薬剤師会のIF記載要領(1998年9月)に準拠して作成

遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤

 処方せん医薬品 

注射用ソマトロピン(遺伝子組換え)

剤形

カートリッジ型注射剤

規格・含量

ジェノトロピンTC注用5.3mg

:1カートリッジ中ソマトロピン

(遺伝子組換え)5.33mg

ジェノトロピンTC注用12mg

:1カートリッジ中ソマトロピン

(遺伝子組換え)12.0mg

ジェノトロピンミニクイック

皮下注用0.6mg

:1カートリッジ中ソマトロピン

(遺伝子組換え)0.60mg

ジェノトロピンミニクイック

皮下注用1.0mg

:1カートリッジ中ソマトロピン

(遺伝子組換え)1.00mg

ジェノトロピンミニクイック

皮下注用1.4mg

:1カートリッジ中ソマトロピン

(遺伝子組換え)1.40mg

一般名

和名:ソマトロピン(遺伝子組換え)(JAN)

洋名:Somatropin(genetical recombination)(JAN)

製造・輸入承認年月日

薬価基準収載・

発売年月日

i

製造販売

承認年月日

薬価基準

収載年月日

発売年月日

ジェノトロピンTC注用5.3mg

2009年2月9日

2009年9月25日

2009年10月

ジェノトロピンTC注用12mg

2009年2月9日

2009年9月25日

2009年10月

ジェノトロピンミニクイック

皮下注用0.6mg

2002年3月4日

2004年7月 9日

2004年9月17日

ジェノトロピンミニクイック

皮下注用1.0mg

2002年3月4日

2004年7月 9日

2004年9月17日

ジェノトロピンミニクイック

皮下注用1.4mg

2002年3月4日

2004年7月 9日

2004年9月17日

開発・製造・輸入・発

売・提携・販売会社名

製造販売:ファイザー株式会社

担当者の連絡先・

電話番号・FAX番号

TEL:

FAX:

本IFは2009年6月改訂(ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg・1.0mg・1.4mg)及び2009年2月作成(ジェノトロピンTC注用5.3mg、ジェノトロピンTC注用12mg)の添付文書の記載に基づき改訂した。

IF利用の手引きの概要―日本病院薬剤師会―

1. 医薬品インタビューフォーム作成の経緯

当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者(以下,MRと略す)等にインタビューし,当該医薬品の評価を行うのに必要な医薬品情報源として使われていたインタビューフォームを,昭和63年日本病院薬剤師会(以下,日病薬と略す)学術第2小委員会が「医薬品インタビューフォーム」(以下,IFと略す)として位置付けを明確化し,その記載様式を策定した。そして,平成10年日病薬学術第3小委員会によって新たな位置付けとIF記載要領が策定された。

2. IFとは

IFは「医療用医薬品添付文書等の情報を補完し,薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要な医薬品の適正使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の裏付けとなる情報等が集約された総合的な医薬品解説書として,日病薬が記載要領を策定し,薬剤師等のために当該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼している学術資料」と位置付けられる。
しかし,薬事法の規制や製薬企業の機密等に関わる情報,製薬企業の製剤意図に反した情報及び薬剤師自らが評価・判断・提供すべき事項等はIFの記載事項とはならない。

3. IFの様式・作成・発行

規格はA4判,横書きとし,原則として9ポイント以上の字体で記載し,印刷は一色刷りとする。表紙の記載項目は統一し,原則として製剤の投与経路別に作成する。IFは日病薬が策定した「IF記載要領」に従って記載するが,本IF記載要領は,平成11年1月以降に承認された新医薬品から適用となり,既発売品については「IF記載要領」による作成・提供が強制されるものではない。また,再審査及び再評価(臨床試験実施による)がなされた時点ならびに適応症の拡大等がなされ,記載内容が大きく異なる場合にはIFが改訂・発行される。

4. IFの利用にあたって

IF策定の原点を踏まえ,MRへのインタビュー,自己調査のデータを加えてIFの内容を充実させ,IFの利用性を高めておく必要がある。
MRへのインタビューで調査・補足する項目として,開発の経緯,製剤的特徴,薬理作用,臨床成績,非臨床試験等の項目が挙げられる。また,随時改訂される使用上の注意等に関する事項に関しては,当該医薬品の製薬企業の協力のもと,医療用医薬品添付文書,お知らせ文書,緊急安全性情報,Drug Safety Update(医薬品安全対策情報)等により薬剤師等自らが加筆,整備する。そのための参考として,表紙の下段にIF作成の基となった添付文書の作成又は改訂年月を記載している。なお,適正使用や安全確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での発売状況」に関する項目等には承認外の用法・用量,効能・効果が記載されている場合があり,その取扱いには慎重を要する。

I.概要に関する項目

1.開発の経緯

1983年アメリカのジェネンテック社が、遺伝子組換え技術によって天然のヒト成長ホルモンと全く同じ191個のアミノ酸からなるヒト成長ホルモン(r-hGH)の生合成に成功した。スウェーデンのKabi社(現Pfizer社)は、ジェネンテック社よりマスターセルバンクの提供を受けて、ジェノトロピンを開発・製造した。

国内で1985年から下垂体性小人症(現成長ホルモン分泌不全性低身長症)に対する臨床試験を開始し、有効性と安全性を確認した後、ジェノトロピン(4IU)(ジェノトロピン1.3mg)の輸入承認を申請し、1988年に承認を得て発売に至った。

その後の経緯は以下のとおりである。

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1990年

ジェノトロピン12IU※※追加承認

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1991年

ジェノトロピンカビクイック2IU、3IU、4IU(ジェノトロピンカビクイック0.7mg・1.0mg・1.3mg※※※)追加承認

「骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全を示すターナー症候群」効能追加承認

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1992年

ジェノトロピン16IU(現ジェノトロピンTC注用5.3mg)追加承認

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1997年

「骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長」効能追加承認

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2000年3月

成長ホルモン製剤の含量表示について世界保健機関(WHO)の勧告に基づき成分表示単位:mg表示承認(ジェノトロピン5.3mg(現ジェノトロピンTC注用5.3mg)、ジェノトロピン1.3mg、ジェノトロピンカビクイック0.7mg、1.0mg、1.3mg)

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2000年7月

mg表示製品上市

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2001年2月

「骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長」効能追加承認

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2002年1月

「骨端線閉鎖を伴わないプラダーウィリー症候群における低身長」効能追加承認

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2002年3月

ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg、1.0mg、1.4mg追加承認

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2003年2月

ジェノトロピン注射用12mg(現ジェノトロピンTC注用12mg)追加承認

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2006年7月

「成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)」効能追加承認

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2008年10月

「骨端線閉鎖を伴わないSGA(small-for-gestational age)性低身長症」効能追加承認

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※:

ジェノトロピン1.3mgは平成16年3月末日承認整理

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※※:

ジェノトロピン12IUは平成10年3月末日承認整理

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※※※:

ジェノトロピンカビクイック0.7mg・1.0mg・1.3mgは平成17年3月末日承認整理

2.製品の特徴及び有用性

1.遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤である。

2.骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症に対して、連日皮下投与でも、筋肉内投与でも、成長促進効果が認められている。

3.骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群に対する成長促進効果は、成長ホルモン分泌不全の有無に関係なく1.0IU/kg/週の投与量で高い有効性が認められている。(1.0IU/kg/週は0.35mg/kg/週に相当)

4.骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全保存期・透析期の患児において成長速度改善作用が認められている。

5.骨端線閉鎖を伴わないプラダーウィリー症候群における低身長に対して成長促進効果が認められている。

6.成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)に対して、プラセボを対照とした二重盲検比較試験において有用であることが認められている。

7.骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症に対して成長促進効果が認められている。

8.安全性

 ○骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症

調査症例数5,881例中、副作用発現症例は236例(4.01%)であった。その主なものは、耐糖能低下41件(0.70%)、ALT(GPT)上昇22件(0.37%)、AST(GOT)上昇21件(0.36%)、CK(CPK)上昇21件(0.36%)、顕微鏡的血尿16件(0.27%)等であった。(承認時までの調査及び市販後の使用成績調査の集計)

 ○骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長

承認時までの臨床試験(198例)において18例(9.09%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。その主なものは、異型リンパ球出現4件(2.02%)、顕微鏡的血尿4件(2.02%)、トリグリセライド上昇3件(1.52%)、遊離脂肪酸上昇3件(1.52%)、尿蛋白陽性3件(1.52%)等であった。

ジェノトロピン製剤の市販後における使用成績調査(242例)において臨床検査値異常を含む副作用は10例(4.13%)に認められ、顕微鏡的血尿3件(1.24%)、AST(GOT)上昇2件(0.83%)、ALT(GPT)上昇2件(0.83%)、トリグリセライド上昇2件(0.83%)等であった。(再審査終了時)

 ○骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長

承認時までの臨床試験(118例)において21例(17.8%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。その主なものは、血清クレアチニン上昇2例(1.7%)、BUN上昇2例(1.7%)等の腎機能障害、慢性腎不全に合併する骨異形成症の進行(くる病性変化の促進)1例(0.8%)、耐糖能異常3例(2.5%)等であった。

 ○骨端線閉鎖を伴わないプラダーウィリー症候群における低身長

承認時までの海外で行われた臨床試験45例中、副作用発現症例は10例(22.2%)であった。各発現件数は、頭痛、浮腫、攻撃性各2件(4.4%)、脱毛、関節痛、筋痛、頭蓋内圧亢進各1件(2.2%)等であった。

 ○成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)

承認時までの臨床試験(73例)において46例(63.0%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。その主なものは、浮腫12例(16.4%)、筋脱力9例(12.3%)、感情不安定9例(12.3%)、ALPの上昇9例(12.3%)、無気力・集中力低下8例(11.0%)、関節痛7例(9.6%)、尿潜血・顕微鏡的血尿7例(9.6%)等であった。

 ○骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症

国内で行われた承認時までの臨床試験67例中、副作用発現症例は23例(34.3%)であった。その主なものは、関節痛・下肢痛等の成長痛5例(7.5%)、頭痛4例(6.0%)、投与部位の出血4例(6.0%)等であった。

 ○重大な副作用

1)痙攣(頻度不明)注):痙攣があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

2)甲状腺機能亢進症(頻度不明)注):甲状腺機能亢進症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

3)ネフローゼ症候群(頻度不明)注):ネフローゼ症候群(浮腫、尿蛋白、低蛋白血症)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

4)糖尿病(頻度不明)注):耐糖能低下があらわれ、糖尿病を発症することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

 注)ソマトロピン製剤の市販後調査及び自発報告において認められている。

II.名称に関する項目

1.販売名

(1)和名

ジェノトロピン TC注用5.3mg

ジェノトロピン TC注用12mg

ジェノトロピン ミニクイック皮下注用0.6mg

ジェノトロピン ミニクイック皮下注用1.0mg

ジェノトロピン ミニクイック皮下注用1.4mg

(2)洋名

Genotropin TC Inj.5.3mg

Genotropin TC Inj.12mg

Genotropin MiniQuick s.c.inj. 0.6mg

Genotropin MiniQuick s.c.inj. 1.0mg

Genotropin MiniQuick s.c.inj. 1.4mg

(3)名称の由来

genetical recombination(遺伝子組換え)によるsomatropin(成長ホルモン)

2.一般名

(1)和名(命名法)

ソマトロピン(遺伝子組換え)(JAN)

(2)洋名(命名法)

Somatropin(genetical recombination)(JAN)

somatropin(INN)

3.構造式又は示性式

191個のアミノ酸からなるペプチド

ジェノトロピンのアミノ酸配列

4.分子式及び分子量

(1)分子式

C990H1528N262O300S7

(2)分子量

約22,125

5.化学名(命名法)

ヒト成長ホルモン(遺伝子組換え)(JAN)

growth hormone human(genetical recombination)

6.慣用名、別名、略号、記号番号

記号番号:SM-9500

7.CAS登録番号

12629-01-5

III.有効成分に関する項目

1.有効成分の規制区分

処方せん医薬品

注意−医師等の処方せんにより使用すること

2.物理化学的性質

(1)外観・性状

無色澄明又はわずかに混濁した液

(2)溶解性

該当しない

(3)吸湿性

該当しない

(4)融点(分解点)、沸点、凝固点

該当資料なし

(5)酸塩基解離定数

該当資料なし

(6)分配係数

該当資料なし

(7)その他の主な示性値

紫外吸収スペクトル(UV) 極大波長276nm 等電点(pI)5.0

3.有効成分の各種条件下における安定性

-20℃で24ヵ月間保存したところ、全ての試験結果は規格内であった。

4.有効成分の確認試験法

等電点電気泳動法、逆相高速液体クロマトグラフィー

5.有効成分の定量法

液体クロマトグラフィー

IV.製剤に関する項目

1.剤形

(1)剤形の区別、規格及び性状

(2)溶液及び溶解時のpH、浸透圧比、粘度、比重、安定なpH域等

カートリッジ前部と後部の内容物混和し(「W-2製剤の組成」参照)で溶かしたときのpHと浸透圧比は次のとおりである。

(3)注射剤の容器中の特殊な気体の有無及び種類

なし

2.製剤の組成

(1)有効成分(活性成分)の含量

ジェノトロピンTC注用5.3mg

:1カートリッジ中ソマトロピン(遺伝子組換え)5.33mgを含有する。

ジェノトロピンTC注用12mg

:1カートリッジ中ソマトロピン(遺伝子組換え)12.0mgを含有する。

ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg

:1カートリッジ中ソマトロピン(遺伝子組換え)0.60mgを含有する。

ジェノトロピンミニクイック皮下注用1.0mg

:1カートリッジ中ソマトロピン(遺伝子組換え)1.00mgを含有する。

ジェノトロピンミニクイック皮下注用1.4mg

:1カートリッジ中ソマトロピン(遺伝子組換え)1.40mgを含有する。

(2)添加物

(3)添付溶解液の組成及び容量

該当しない

3.注射剤の調製法

(1)ジェノトロピンTC注用5.3mg、ジェノトロピンTC注用12mg

本剤を使用する場合は、専用の注入器を用いて溶解・注射するか、又は専用の溶解器を用いて溶解すること。

1)専用の注入器を用いる場合

@本剤を注入器筒部に挿入し、ネジを回して筒部を合体させることにより、ソマトロピン(遺伝子組換え)の粉末と溶解液を混合し、静かに円を描くように回して溶解すること。(激しく振盪しないこと。)

A溶解後、注入器の使用方法に従って注射すること。


2)専用の溶解器を用いる場合

@本剤を溶解器にセットし、内筒をねじ込むことにより、ソマトロピン(遺伝子組換え)の粉末と溶解液を混合し、静かに円を描くように回して溶解すること。(激しく振盪しないこと。)

A溶解後、通気針を刺して本剤(カートリッジ前部)中の空気を抜いた後、注射器に取って注射すること。


(2)ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg・1.0mg・1.4mg

1)注入器先端部のゴム栓をエタノール綿等で清拭すること。

2)ゴム栓に注射針をしっかりとねじ込むこと。

3)注射針を上方に向けて注入器本体を持ち、内筒を時計回りに完全にねじ込むことにより薬剤及び溶解液を混合する。注入器を数回軽く傾け、薬剤が完全に溶解していることを確認すること。(激しく振盪しないこと。)

<解説>

本剤は蛋白製剤であるため、溶解時激しく振盪すると成長ホルモンのゲル形成により、不溶性の沈殿を生じることがあるので、溶解するときは静かに円を描くように回して溶解すること。

また、本剤を溶解後凍結すると成長ホルモンのゲル形成、変性等により溶解液が白濁することがある。凍らせないように冷蔵庫内の保存位置に注意すること。凍結した場合は使用しないこと。

4.製剤の各種条件下における安定性

ジェノトロピンTC注用5.3mg、ジェノトロピンTC注用12mg

ジェノトロピンTC注用5.3mg

ジェノトロピンTC注用12mg

ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg・1.0mg・1.4mg

5.溶解後の安定性

ジェノトロピンTC注用5.3mg

ジェノトロピンTC注用12mg

ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg・1.0mg・1.4mg

6.他剤との配合変化(物理化学的変化)

該当資料なし

7.混入する可能性のある夾雑物

脱アミド体:hGH構成アミノ酸の側鎖アミドの加水分解物

重合体(h6Hの二量体及び多量体)

8.生物学的試験法

該当資料なし

9.製剤中の有効成分の確認試験法

等電点電気泳動法

逆相高速液体クロマトグラフィー

10.製剤中の有効成分の定量法

液体クロマトグラフィー

11.力価

本剤の生物学的及び免疫学的活性は1mg当たり3.0国際単位である。

12.容器の材質

無色透明のガラス

V.治療に関する項目

1.効能又は効果

○骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症

○骨端線閉鎖を伴わない次の疾患における低身長

(1)ターナー症候群

(2)慢性腎不全

(3)プラダーウィリー症候群

○成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)

○骨端線閉鎖を伴わないSGA(small-for-gestational age)性低身長症

[効能・効果に関連する使用上の注意]

骨端線閉鎖を伴わない

成長ホルモン分泌不全性低身長症

本剤の成長ホルモン分泌不全性低身長症の適用は、厚生省特定疾患間脳下垂体機能障害調査研究班、成長ホルモン分泌不全性低身長症診断の手引き1)の診断の基準確実例とすること。

骨端線閉鎖を伴わない

次の疾患における低身長


 ターナー症候群

(1)適用基準

染色体検査によりターナー症候群と確定診断された者で、身長が標準身長の-2SD以下又は年間の成長速度が2年以上にわたって標準値の-1.5SD以下である場合。

(2)治療継続基準

1年ごとに以下の基準を満たしているかどうかを判定し、いずれかを満たしたときに治療の継続をする。

1)成長速度≧4cm/年

2)治療中1年間の成長速度と、投与前1年間の成長速度の差が1.0cm/年以上の場合。

3)治療2年目以降で、治療中1年間の成長速度が下記の場合。

2年目≧2cm/年

3年目以降≧1cm/年

ただし、以上のいずれも満たさないとき、又は骨年齢が15歳以上に達したときは投与を中止すること。

 慢性腎不全

慢性腎不全は糸球体ろ過率等を検査し確定診断すること。

 プラダーウィリー

 症候群

(1)適応基準

染色体検査によりプラダーウィリー症候群と確定診断された者で、身長が同性、同年齢の標準身長の-2SD以下又は年間の成長速度が2年以上にわたって標準値の-1.5SD以下である場合。

(2)治療継続基準

1年ごとに以下の基準を満たしているかどうかを判定し、いずれかを満たしたときに治療の継続をする。

1)成長速度≧4cm/年

2)治療中1年間の成長速度と、投与前1年間の成長速度の差が1.0cm/年以上の場合。

3)治療2年目以降で、治療中1年間の成長速度が下記の場合。

2年目≧2cm/年

3年目以降≧1cm/年

ただし、以上のいずれも満たさないとき、又は骨年齢が男17歳、女15歳以上に達したときは投与を中止すること。

<解説>2)

骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長

ターナー症候群の基本的核型は1つのX染色体の短腕遠位部欠損であるため、本疾患に特異的な染色体分析により確定診断した後、本剤を投与する必要がある。

(財)成長科学協会の適応基準2)を参考に設定した。

骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長

慢性腎不全は確定診断した後、本剤を投与する必要があるため設定した。

骨端線閉鎖を伴わないプラダーウィリー症候群における低身長

プラダーウィリー症候群は15番染色体の障害により発現するため、本疾患に特異的な染色体分析(FISH法及び分子生物学的手法によるUPDの同定)により、確定診断を行うことにした。

成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)

本剤の成人成長ホルモン分泌不全症への適用は、(1)小児期に成長ホルモン分泌不全症と確定診断されている患者(小児期発症型)、もしくは(2)成人期発症型では頭蓋内器質性疾患の合併ないし既往歴、治療歴又は周産期異常の既往がある患者のうち、厚生労働省難治性疾患克服研究事業 間脳下垂体機能障害調査研究班の「成人成長ホルモン分泌不全症の診断の手引き」において重症と診断された患者とすること。

重症成人成長ホルモン分泌不全症の診断基準

(1)小児期発症型:2種類以上の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値がすべて3ng/mL以下(GHRP-2負荷試験では15ng/mL以下)であること。ただし、頭蓋内器質性疾患の合併ないし既往歴、治療歴、又は周産期異常があり、成長ホルモンを含む複数の下垂体ホルモンの分泌低下がある患者では、1種類の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が3ng/mL以下(GHRP-2負荷試験では15ng/mL以下)であること。

小児期に成長ホルモン分泌不全症と診断されたものでも、本治療開始前に再度成長ホルモン分泌刺激試験を行い、成長ホルモン分泌不全症であることを確認すること。

(2)成人期発症型:成長ホルモンを含む複数の下垂体ホルモン(あるいは成長ホルモン単独)の分泌低下がある患者で、かつ1種類(成長ホルモンの単独欠損の患者では2種類)の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が3ng/mL以下(GHRP-2負荷試験では15ng/mL以下)であること。

ただし、遺伝子組換え型の成長ホルモンを標準品とした場合は、血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が1.8ng/mL以下(GHRP-2負荷試験では9ng/mL以下)であること。

[成長ホルモン分泌刺激試験の種類と成人成長ホルモン分泌不全症で

重症と診断される血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値]

成長ホルモン

分泌刺激物質

ヒト成長ホルモン標準品

遺伝子組換え

遺伝子組換え

インスリン、アルギニン、

グルカゴン

1.8ng/mL以下

3ng/mL以下

GHRP-2

9ng/mL以下

15ng/mL以下

<解説>1) 3)

成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)

本適応症に該当する患者はGrowth Hormone Research Societyによる「AGHDの診断と治療に関するコンセンサスガイドライン3)」のなかで、高度のGH**分泌不全を呈する患者としており、インスリン負荷試験後のGH頂値は3ng/mL未満とされている。そのため、これを満たす基準が必要であると考えた。

また、患者は発症時期により、小児期発症のAGHDと成人期発症のAGHDに大きく分かれる。特に、小児期発症の場合、小児期においては、成長障害に対する成長促進効果を目的としてGHの治療が行われている。当効能・効果では、成長促進効果ではなく、GHの欠乏状態が招く体組成の異常に対する改善効果を目的としている。そのため、成長促進効果を目的とした治療とは明確に区別される必要があるため、各発症時期別の診断基準を効能・効果に関連する使用上の注意とした。

成人におけるGH分泌不全症のうち、GH治療の対象とすべきは高度なGH分泌不全症であることから、その基準を設定する必要性があった。GHの分泌は脈動的であるため、随時採血によるGH濃度ではAGHDは診断できない。そこで、「AGHDの診断と治療の手引き1)」を準用し、AGHDの治療対象基準として、GH分泌刺激試験を行うこととした。また、負荷後のGH頂値については「AGHDの診断と治療の手引き1)」の規定に従うことにした。

*AGHD:成人成長ホルモン分泌不全症

**GH:成長ホルモン

骨端線閉鎖を伴わない

SGA(small-for-gestational age)性低身長症

(1)適用基準

以下のいずれの基準も満たすこと。

1)出生時

出生時の体重及び身長がともに在胎週数相当の10パーセンタイル未満で、かつ出生時の体重又は身長のどちらかが、在胎週数相当の-2SD未満であること。

なお、重症の新生児では出生時に身長が測定できないことがあるので、測定されていない場合は、出生体重で判定すること。

2)治療の開始条件

@3歳以上の患者であること。

A現在の身長が標準身長の-2.5SD未満。

B治療開始前1年間の成長速度が標準成長速度の0SD未満。

3)出生後の成長障害が子宮内発育遅延以外の疾患等に起因する患者でないこと。また、成長障害をもたらすと考えられる治療を受けている患者でないこと。

(2)治療継続基準

1年ごとに以下の基準を満たしているかどうかを判定し、いずれかを満たしたときに治療の継続をする。

1)成長速度≧4cm/年

2)治療中1年間の成長速度と、投与前1年間の成長速度の差が1.0cm/年以上の場合。

3)治療2年目以降で、治療中1年間の成長速度が下記の場合。

2年目≧2cm/年

3年目以降≧1cm/年

ただし、年間成長速度が、思春期による最大成長時を過ぎて2cm未満になった場合は中止する。

上記治療継続基準1)〜3)のいずれも満たさないとき、又は骨年齢が男17歳、女15歳以上に達したときは投与を中止すること。

<解説>4) 5) 6)

骨端線閉鎖を伴わないSGA(small-for-gestational age)性低身長症

国内ガイドライン4)のSGA性低身長症に対するGH治療対象基準に基づき適用基準を設定した。

1)出生時の適用基準

出生時の適用基準として、WHOによる国際疾病分類(ICD-10)のSGA基準(出生時の体重及び身長がともに在胎週数相当の10パーセンタイル未満)の他、海外臨床試験で用いた基準(出生時の体重又は身長のどちらかが、在胎週数相当の-2SD未満)を満たすものとして設定している。

また、重症の新生児では出生時に身長が測定できない場合が少なくないことから、国内ガイドラインでは出生体重のみでも判定可能とされている。これに基づき「なお、重症の新生児では出生時に身長が測定できないことがあるので、測定されていない場合は、出生体重で判定すること。」を設定した。

2)治療の開始条件

治療の開始条件として、以下のとおり設定した。

@SGA児の身長のcatch-up率が暦年齢3歳以後増加することはないという国内におけるデータ5)に基づき、治療開始年齢を「3歳以上の患者であること。」と設定した。

A治療開始時の暦年齢相当身長SDSは、改善したとしても標準身長の範囲内の成人身長に達しないレベルを想定し、「現在の身長が標準身長の-2.5SD未満。」と設定した。

B暦年齢相当身長SDSが-2.5SDS未満の患児の年間成長速度SDSが0以上であれば、身長が正常範囲にcatch-upする可能性があるが、0未満の場合catch-upする可能性がほとんどなく、治療対象として適しているため、「治療開始前1年間の成長速度が標準成長速度の0SD未満。」と設定した。


3)出生後の成長障害が子宮内発育遅延以外の疾患等に起因する患者でないこと。また、成長障害をもたらすと考えられる治療を受けている患者でないこと。

SGA性低身長症以外の患者および成長障害をもたらすと考えられる治療を受けている患者(たとえば腎不全患者に対するステロイド治療や抗癌治療)に対するGH治療を避けるため、「出生後の成長障害が子宮内発育遅延以外の疾患等に起因する患者でないこと。また、成長障害をもたらすと考えられる治療を受けている患者でないこと。」を設定した。

なお、国内で実施した臨床試験ではGH分泌負荷試験を実施し、GH頂値>10ng/mLの患者を対象としている。また、低身長を呈する内分泌疾患、ターナー症候群等の染色体異常及び奇形症候群(但し、ラッセル・シルバー症候群は除く)、軟骨異栄養症等の骨系統疾患及び重篤な心疾患、腎疾患或いは肝疾患を有する患児は除外している。さらに、過去に放射線治療或いは化学療法を受けたことのある患児も除外している6)

また、本剤の治療継続を判断するための基準を設定した。

本基準は成長科学協会による既承認の適応症(骨端線閉鎖を伴わない次の疾患における低身長:ターナー症候群、プラダーウィリー症候群)のヒト成長ホルモン治療適応基準にあわせて設定した。

さらに、思春期の最大成長率を過ぎて年間成長率が2cm/年になった頃、これ以降は治療を継続してもわずかしか成長の上乗せ効果が望めないと考えられることより、「年間成長速度が、思春期による最大成長時を過ぎて2cm未満になった場合は中止する。」を設定した4)

2.用法及び用量

ジェノトロピンTC注用5.3mg、ジェノトロピンTC注用12mg

効能・効果

用法・用量

骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症

通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.175mgを2〜4回に分けて筋肉内に注射するか、あるいは6〜7回に分けて皮下に注射する。

骨端線閉鎖を伴わない次の疾患における低身長

i

 ターナー症候群

通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.35mgを2〜4回に分けて筋肉内に注射するか、あるいは6〜7回に分けて皮下に注射する。

 慢性腎不全

通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.175mgを6〜7回に分けて皮下に注射するが、投与開始6ヵ月後以降増量基準に適合した場合は0.35mgまで増量することができる。

 プラダーウィリー症候群

通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.245mgを6〜7回に分けて皮下に注射する。

成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)

通常開始用量として、1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.021mgを6〜7回に分けて皮下に注射する。患者の臨床症状に応じて1週間に体重kg当たり0.084mgを上限として漸増し、1週間に6〜7回に分けて皮下に注射する。なお、投与量は臨床症状及び血清インスリン様成長因子-T(IGF-T)濃度等の検査所見に応じて適宜増減する。ただし、1日量として1mgを超えないこと。

骨端線閉鎖を伴わないSGA
(small-for-gestational
age)性低身長症

通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.23mgを6〜7回に分けて皮下に注射する。なお、効果不十分な場合は1週間に体重kg当たり0.47mgまで増量し、6〜7回に分けて皮下に注射する。

なお、専用のソマトロピン注入器を用いて溶解・注射するか、又は専用の溶解器を用いて溶解、注射する。

ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg・1.0mg・1.4mg

効能・効果

用法・用量

骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症

通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.175mgを6〜7回に分けて皮下に注射する。

骨端線閉鎖を伴わない次の疾患における低身長


 ターナー症候群

通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.35mgを6〜7回に分けて皮下に注射する。

 慢性腎不全

通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.175mgを6〜7回に分けて皮下に注射するが、投与開始6ヵ月後以降増量基準に適合した場合は0.35mgまで増量することができる。

 プラダーウィリー症候群

通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.245mgを6〜7回に分けて皮下に注射する。

成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)

通常開始用量として、1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.021mgを6〜7回に分けて皮下に注射する。患者の臨床症状に応じて1週間に体重kg当たり0.084mgを上限として漸増し、1週間に6〜7回に分けて皮下に注射する。なお、投与量は臨床症状及び血清インスリン様成長因子-T(IGF-T)濃度等の検査所見に応じて適宜増減する。ただし、1日量として1mgを超えないこと。

骨端線閉鎖を伴わないSGA
(small-for-gestational
age)性低身長症

通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.23mgを6〜7回に分けて皮下に注射する。なお、効果不十分な場合は1週間に体重kg当たり0.47mgまで増量し、6〜7回に分けて皮下に注射する。

[用法・用量に関連する使用上の注意]

1.

慢性腎不全における低身長患者に投与する場合には、血清クレアチニン等腎機能を定期的に検査し、基礎疾患の進行の観察を十分に行うこと。腎機能の異常な悪化が認められた場合は投与を中止すること。本剤の投与に際し、身長の伸びが投与開始6ヵ月間で年間成長率に換算して4cm/年未満であり、かつ治療前1年間の成長率との差が1cm/年未満である場合は投与を中止すること。なお、治療の継続基準として、6ヵ月目及び1年目は年間成長率が4cm/年以上又は治療前1年間の成長率との差が1cm/年以上、2年目は年間成長率が2cm/年以上、3年目以降は年間成長率が1cm/年以上の場合は治療を継続できるものとする。ただし、骨年齢が男17歳、女15歳以上に達したときは投与を中止すること。また、上記継続基準を満たし、かつ次のいずれかに該当する場合は増量できるものとする。

i

(1)

慢性腎不全のため同性、同年齢の標準身長の-2SD以下の低身長をきたし、0.175mg/kg/週の投与を継続しても骨年齢が男17歳、女15歳に達するまでに標準身長の-2SDまで到達する見込みがない場合

i

(2)

1年以内に腎移植を予定しており、それまでに0.175mg/kg/週の投与を継続しても標準身長の-2SDまで到達する見込みがない場合

<解説>

慢性腎不全は確定診断した後、本剤を投与する必要があり、投与に際して腎機能の異常な悪化及び効果が認められない場合には、中止する必要があるので中止の基準を設定し、効果不十分の場合の増量の基準を示すため、上記を設定し、6ヵ月未満では増量できないこととした。

2.

成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)の患者に投与する場合には、次の点に留意すること。

i

(1)

本剤の投与量は、血清IGF-T濃度を参照して調整すること。血清IGF-T濃度は投与開始後24週目までは4週間に1回、それ以降は12週から24週に1回の測定を目安とすること。また、副作用の発現等の際は、適宜、血清IGF-T濃度を測定し、本剤の減量、投与中止等適切な処置をとること。

i

(2)

加齢に伴い生理的な成長ホルモンの分泌量や血清IGF-T濃度が低下することが知られている。本剤投与による症状の改善が認められなくなり、かつ本剤を投与しなくても血清IGF-T濃度が基準範囲内にある場合には、投与中止を考慮すること。

<解説>

AGHDの治療は補充療法であるため、用法・用量としては血中GHが正常値範囲内に維持されることが目的となる。しかしGHは脈動的に分泌され、GH補充に対する反応性は個体差が大きいため、IGF-Tを指標としている。

IGF-TはGH依存性の成長因子であり、血清IGF-T濃度はGHの生理作用の生化学マーカーとして信頼できるパラメータである。

(1)投与開始初期には本剤の投与量を血清IGF-T濃度に基づき調整していく必要性から4週間隔で測定し、その後血清IGF-T濃度が年齢別、性別基準値内に収まり安定した場合は、その測定間隔を広げて12週から24週の間隔で測定することで、過量投与になるのを防ぎ個々の患者の投与量を調整することが可能である。

(2)血清中IGF-Tに関しては、GHの生理的分泌に性差及び年齢差があり、一般的に男性より女性の方が血清IGF-Tの平均値及び基準値の上限が高く、加齢とともにそれらの値は低下する。そのため、これらの影響を考慮する必要がある。

国内臨床試験で用いた、日本人健常成人におけるIGF-T基準値7)を巻末に示す。

3.臨床成績

(1)臨床効果

◇成長ホルモン分泌不全性低身長症、ターナー症候群及び慢性腎不全8) 9) 10) 11) 12)

外国では、北欧、ドイツ及びフランスにおける合計169例の成長ホルモン分泌不全性低身長症に対する臨床試験で、国内の成績とほぼ同等の治療成績が得られている。

これらの臨床試験成績から、連日皮下注射法では週2〜4回の従来の投与法に比べて身長増加速度が高いことが認められている。

◇プラダーウィリー症候群13)

海外(スウェーデン/デンマーク)で行われた思春期前のプラダーウィリー症候群患者に対する臨床試験成績の概要は次のとおりであった。

成長促進効果

◇成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)

@二重盲検比較試験14)

成人成長ホルモン分泌不全症患者と診断され、GH分泌刺激試験にてGH頂値が3ng/mL未満の患者(成人期発症35例、小児期発症38例)を対象に二重盲検比較試験を実施した。臨床試験成績の概略は次のとおりであった。

投与方法:投与開始時〜4週後(0.021mg/kg/週)、投与4週後〜8週後(0.042mg/kg/週)、投与8週後〜24週後(0.084mg/kg/週)を連日皮下投与

症例数:本剤37例(成人期発症18例、小児期発症19例)、プラセボ36例(成人期発症17例、小児期発症19例)

除脂肪体重測定:DXA法

A長期投与試験15) 16)

二重盲検比較試験を完了した成人成長ホルモン分泌不全症患者を対象に長期投与試験を実施した。臨床試験成績の概略は次のとおりであった。

投与方法:投与開始時〜8週後(0.021mg/kg/週)、8週以降は血清IGF-T濃度及び副作用を参考に用量調整を行い連日皮下投与

症例数:本剤/本剤:35例(成人期発症17例、小児期発症18例)、プラセボ/本剤:36例(成人期発症17例、小児期発症19例)

除脂肪体重測定:DXA法

◇骨端線閉鎖を伴わないSGA(small-for-gestational age)性低身長症

@投与1年間の成績6)

SGA性低身長症患者に対する臨床試験成績の概要は次のとおりであった。

A投与4年間の成績17)

SGA性低身長症患者に対する48ヵ月後までの臨床試験成績の概要は次のとおりであった。

なお、投与48ヵ月後もしくは中止時の身長SDSが標準身長(-2SDから2SD)の下限-2SDを超えた症例は61例中47例(増量群:21例、維持群:26例)であった。

(2)臨床薬理試験:忍容性試験

Z-1(3)-4)参照

(3)探索的試験:用量反応探索試験

◇ターナー症候群10)

ターナー症候群と確定診断された骨端線閉鎖を伴わない低身長患児99例にジェノトロピン0.5IU/kg/週を週2〜4回または1.0IU/kg/週を週3〜6回に分けて筋肉内に投与、あるいは0.5IU/kg/週または1.0IU/kg/週を週6〜7回に分けて皮下投与した。

最長2年間の投与期間において、成長速度は0.5IU/kg/週投与群では3.7±1.0cm/年が1年後には5.2±1.3cm/年に(p<0.001)、2年後には4.1±1.1cm/年に(p<0.05)有意に増加した。また、1.0IU/kg/週投与群では3.5±0.9cm/年が1年後には6.3±1.4cm/年に(p<0.001)、2年後には4.6±1.1cm/年に(p<0.001)有意に増加した。

1.0IU/kg/週投与群の成長速度は0.5IU/kg/週群の成長速度に比べて投与1年後及び2年後ともに有意に増加した(1年度p<0.001、2年後p<0.05)。

半年毎の成長速度(cm/年)

成長速度(cm/年)と身長(SD)との相関

◇成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)14)

成人成長ホルモン分泌不全症患者と診断され、GH分泌刺激試験にてGH頂値が3ng/mL未満の患者(成人期発症35例、小児期発症38例)を対象に二重盲検比較試験を実施した。ジェノトロピンの投与量は、投与開始から4週目までは0.003mg/kg/日、4週目から8週目までは0.006mg/kg/日、8週目から24週目までは0.012mg/kg/日とした。24週の投与により、除脂肪体重は投与開始時に比べて有意に増加し(p<0.05)、体脂肪量は有意に減少した(p<0.02)。また、血清IGF-T濃度は有意に増加した(p<0.0001)(Wilcoxon符号付き順位検定)。

「X-3(1)◇成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)@二重盲検比較試験」参照

◇骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症6) 17)

国内ガイドラインのGH治療対象基準に合致したSGA性低身長患児48例に、ジェノトロピンの2用量(0.033mg/kg/日投与群23例、0.067mg/kg/日投与群25例)のいずれかに無作為に割付た。投与開始1年目において、成長速度SDSは0.033mg/kg/日投与群で-1.9±1.1から2.6±1.8に増加し、0.067mg/kg/日投与群では-1.4±1.6から4.7±2.1に増加し、2用量間で有意差が認められた(平均±標準偏差、p<0.0001、Wilcoxon順位検定)。

また、血清IGF-T濃度の増加も2群間に有意差が認められた(p<0.005)。

さらに、1年間の治療の後、2年目からは0.033mg/kg/日の治療を受けていた患者の投与量を0.067mg/kg/日に増量した結果、4年間の試験期間を通じて、平均身長SDSは、0.033/0.067mg/kg/日群で-3.14SDから-1.48SDに、0.067/0.067mg/kg/日群で-3.09SDから-1.49SDに改善した。

「X-3(1)◇骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症」参照

(4)検証的試験

1)無作為化並行用量反応試験

◇ターナー症候群:「X-3(3)探索的試験:用量反応探索試験◇ターナー症候群」参照

◇骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症:「X-3(3)探索的試験:用量反応探索試験◇骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症」参照

2)比較試験

◇成長ホルモン分泌不全性低身長症8)

成長ホルモン未治療例(新規例)16例と他の成長ホルモン製剤により治療中の切り替え例9例の成長ホルモン分泌不全性低身長症患児を対象としてジェノトロピンを0.5IU/kg/週、2〜3回筋注/週、1年間投与した結果、1年間の身長の伸びは新規例7.7±1.8cm、切り替え例5.8±1.0cmである、統計学的な有意差は認められなかった。

0.5IU/kg/週は0.175mg/kg/週に相当する

◇ターナー症候群:「X-3(3)探索的試験:用量反応探索試験◇ターナー症候群」参照

◇プラダーウィリー症候群13)

プラダーウィリー症候群と診断された患者のうち15例にジェノトロピン0.1IU/kg/日(0.033mg/kg/日に相当)を投与し、12例をコントロール群(食事療法群)とした。投与1年後のジェノトロピン投与群は、コントロール群に比べ成長速度が有意に増加した。「X-3(1)◇プラダーウィリー症候群」参照

◇成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)14) 15) 16)

成人成長ホルモン分泌不全症患者と診断され、GH分泌刺激試験にてGH頂値が3ng/mL未満の患者を対象にジェノトロピンの群37例、プラセボ群36例で二重盲検比較試験を実施した。ジェノトロピンの投与量は、投与開始から4週目までは0.003mg/kg/日、4週目から8週目までは0.006mg/kg/日、8週目から24週目までは0.012mg/kg/日とした。24週の投与により、除脂肪体重の変化率の差、体脂肪量の変化率の差はともに、ジェノトロピン群はプラセボ群に比べて有意に大きく(p=0.0003、p=0.0004)、血清IGF-T濃度の変化量も有意な差が認められた(p<0.0001)(Wilcoxon順位和検定)。

「X-3(1)◇成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)」参照

◇骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症:「X-3(1)◇骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症」参照

3)安全性試験

・成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る):「X-3(1)◇成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)A長期投与試験」参照

・骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症:「X-3(1)◇骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症A投与4年間の成績」参照

4)患者・病態別試験

実施していない

(5)治療的使用

1)使用成績調査・特別調査・市販後臨床試験

[-8(1)、(2)参照

2)承認条件として実施予定の内容又は実施した試験の概要

該当資料なし

VI.薬効薬理に関する項目

1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群

ヒト成長ホルモン製剤

2.薬理作用

(1)作用部位・作用機序

〔身体成長促進作用〕18) 19) 20)

成長ホルモン(GH)は、下垂体前葉で産生され、貯蔵されているが、視床下部から分泌される成長ホルモン放出因子(GRF)の刺激により血中に放出され、肝臓に存在するGHレセプターを介してソマトメジンを産出する。このソマトメジンが軟骨細胞に作用して骨格の成長をもたらす。視床下部からは、成長ホルモン放出抑制因子ソマトスタチン(GIF)も分泌され、GHの分泌量を調節している18)

下垂体摘出ラットにより体重増加、軟骨基質合成促進、骨成長促進及び臓器重量増加の各作用を検討した各試験で、これらの作用はいずれも下垂体抽出ヒト成長ホルモン製剤とほぼ同等であることが確認されている19)。また、5/6腎部分摘出ラットにより用量依存的な体重及び体長が有意に増加することが確認されている20)

〔IGF-T増加作用〕19) 20)

下垂体摘出ラット及び健常成人において、血中IGF-T濃度を増加させることが認められている。また、5/6腎部分摘出ラットにおいて、血中IGF-T濃度を有意に増加させ、IGF-T活性も高値を示すことが認められている。

〔体組成改善作用〕21)

下垂体摘出ラットにおいて、本剤単独で除脂肪体重増加、体脂肪率低下、血中総コレステロール及びLDL脂質濃度低下、並びに血中IGF-T濃度上昇等の作用が認められている。また、コハク酸ヒドロコルチゾン及びL-チロキシンとの併用試験においても、同様の作用を示すことが確認されている。

(2)薬効を裏付ける試験成績

本剤は動物実験において次の作用を示すことが確かめられている19) 20) 21)

VII.薬物動態に関する項目

1.血中濃度の推移・測定法

(1)治療上有効な血中濃度

該当資料なし

(2)最高血中濃度到達時間

(3)通常用量での血中濃度

1)健常成人男子(8例)に単回筋肉内または皮下投与〔各々8IU(2.8mgに相当)〕した時の血中hGHの薬物動態をクロスオーバー法により比較した。本剤を筋肉内または皮下投与した後の最高血中濃度(Cmax)は、それぞれ45.1±13.2ng/mLおよび40.8±11.1ng/mL、血清中濃度−時間曲線下面積(AUC)は、それぞれ372.7±118.1ng・h/mLおよび337.2±74.1ng・h/mLであり、両投与経路で薬物動態に差は認められないものと考えられた22)

血清中hGH濃度

血清中hGH濃度の推移

2)健常成人男子(9例)に皮下注射〔16IU(5.6mgに相当)単回投与〕した場合の最高血中濃度は、123.7±70.6ng/mL(4.1時間後)であった。
血中hGH濃度は両製剤ともほぼ同様な推移を示し、薬物速度論的パラメータは両製剤間で有意差はなく、両製剤は同程度のバイオアベイラビリティを有すると考えられた23)

血清中hGH濃度

i

血清中hGH濃度の推移

(0.5IUは0.175mgに相当)

3)アジア人健常成人男子(20例)にジェノトロピン注射用12mg(現ジェノトロピンTC注用12mg)を単回皮下注射(ソマトロピンとして5.3mg)したところ、投与後の成長ホルモン血清中濃度のCmaxは153±58mIU/L、AUC0-∞は1420±300mIU・h/L、Tmaxは4.85±2.11h、t1/2は3.64±2.41h(平均値±標準偏差)であり、またジェノトロピン5.3mg(現ジェノトロピンTC注用5.3mg)の単回皮下注射(ソマトロピンとして5.3mg)後も各パラメータは同様の値を示し、両製剤は生物学的に同等であることが確認された(外国人データ)24)

血清中hGH濃度

血清中hGH濃度の推移

4)健常成人男子にジェノトロピンミニクイック皮下注用9製剤(0.4mg、0.6mg、0.8mg、1.0mg、1.2mg、1.4mg、1.6mg、1.8mg、2.0mg)の各0.12IU/kg(0.04mg/kgに相当)を皮下注射した結果、各製剤の血清中成長ホルモン濃度のCmaxの平均値は34.5〜56.0μIU/mL(11.5〜18.7ng/mLに相当)であり、Tmaxの平均値は3.9〜5.9時間であった。AUC0-24の平均値は289〜500μIU・h/mL(96.3〜167ng・h/mLに相当)であり、終末相の半減期は2.25〜2.55時間であった。各製剤の投与後24時間の血清中成長ホルモン濃度の平均値は0.429〜0.762μIU/mL(0.143〜0.254ng/mLに相当)と低値を示した25)

:0.4mg、0.8mg、1.2mg、1.6mg、1.8mg、2.0mgは未発売

5)慢性腎不全の小児(11例)にジェノトロピン4IU/m2(体表面積)/日を皮下投与し、血中hGH濃度の推移を検討したところ、投与24時間後には投与前と同程度の濃度を示した(外国人データ)26)

6)慢性腎不全の小児14例に皮下注射(4IU/m2(体表面積)/日を6ヵ月間反復投与)し、初回投与時と投与6ヵ月後の血中hGH濃度の推移を検討した。投与6ヵ月後においても血清中hGH濃度は投与後21時間迄に投与前のレベルに戻っており、6ヵ月間反復投与後においても蓄積性は認められなかった(外国人データ)27)

血清中hGH濃度の推移

7)日本人SGA性低身長患児にジェノトロピンを0.033及び0.067mg/kg/日にて12ヵ月間反復皮下投与した後の血清中IGF-T(インスリン様成長因子T)濃度は、0.033mg/kg/日投与群と比較して0.067mg/kg/日投与群で高値を示したが、いずれの投与群においても12ヵ月後のIGF-Tの値は投与開始時に比べて有意に増加した6)

SGA性低身長症患者に対する血清中IGF-T(インスリン様成長因子T)濃度

また、48ヵ月目の増量群のIGF-Tの値は維持群とほぼ同様であり、増量後のIGF-Tの濃度推移は両投与群で類似していた。IGF-TSDS(標準偏差スコア)は、増量群の24及び36ヵ月目において、12ヵ月目の値と比較して高値を示し、48ヵ月目においてやや減少した。維持群においては、36ヵ月までほぼ一定の値で推移し、48ヵ月目においてやや減少した。IGFBP-3(インスリン様成長因子結合蛋白3)の動態はIGF-Tと同様の傾向を示した17)

(4)中毒症状を発現する血中濃度

該当資料なし

2.薬物速度論的パラメータ

(1)吸収速度定数

該当資料なし

(2)バイオアベイラビリティ

Z-1(2)、(3)参照

(3)消失速度定数

Z-1(2)、(3)参照

(4)クリアランス

該当資料なし

(5)分布容積

該当資料なし

(6)血漿蛋白結合率

該当資料なし

3.吸収

該当資料なし

4.分布

(1)血液−脳関門通過性

該当資料なし

(2)胎児への移行性

該当資料なし

(3)乳汁中への移行性

該当資料なし

(4)髄液への移行性

該当資料なし

(5)その他の組織への移行性

該当資料なし

5.代謝

(1)代謝部位及び代謝経路

本薬は、小さなペプチドおよびアミノ酸に分解されると推定される。

(2)代謝に関与する酵素(CYP450等)の分子種

該当資料なし

(3)初回通過効果の有無及びその割合

該当資料なし

(4)代謝物の活性の有無及び比率

該当資料なし

(5)活性代謝物の速度論的パラメータ

該当資料なし

6.排泄

(1)排泄部位

該当資料なし

(2)排泄率

該当資料なし

(3)排泄速度

該当資料なし

7.透析等による除去率

(1)腹膜透析

該当資料なし

(2)血液透析

該当資料なし

(3)直接血液灌流

該当資料なし

VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目

1.警告内容とその理由

該当資料なし

2.禁忌内容とその理由

禁忌(次の患者には投与しないこと)

(1)

糖尿病の患者[成長ホルモンが抗インスリン様作用を有するため。]

(2)

悪性腫瘍のある患者[成長ホルモンが細胞増殖作用を有するため。]

(3)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

(4)

プラダーウィリー症候群の患者のうち、高度な肥満又は重篤な呼吸器障害のある患者[「重要な基本的注意」の項参照]

<解説>

(1)GHは連続投与することによって糖尿病誘発作用を示す。動物実験において耐糖性の減少が示された。糖尿病誘発作用は臨床上、問題となる可能性がある。

また、GHは筋肉などの組織におけるグルコースの取り込みを減少させ、肝臓からのグルコース放出を増加させる抗インスリン作用を示す。そのため、糖尿病患者における投与は病状を悪化させる可能性があるため設定した。

(2)GHは細胞を増殖させる働きがある。そのため、悪性腫瘍のある患者へ投与すると、腫瘍細胞を増殖させる危険性があるため設定した。

(3)妊娠中の投与に関する安全性は確立していないことから、妊婦または妊娠している可能性のある婦人への投与は禁忌とした。

詳細は「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項を参照のこと。

(4)国内外にて該当患者における本剤投与中の死亡例が6例報告されており、そのうち2例が本剤との因果関係が否定できない症例であったことから設定した。

3.効能・効果に関連する使用上の注意とその理由

「X.治療に関する項目」を参照

4.用法・用量に関連する使用上の注意とその理由

「X.治療に関する項目」を参照

5.慎重投与内容とその理由

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1)

脳腫瘍(頭蓋咽頭腫、下垂体腺腫、松果体腫等)による成長ホルモン分泌不全性低身長症及び成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)の患者[成長ホルモンが細胞増殖作用を有するため、基礎疾患の進行や再発の観察を十分に行い慎重に投与すること。]

(2)

心疾患、腎疾患のある患者[ときに一過性の浮腫があらわれることがあるので、特に心疾患、腎疾患のある患者に投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること。]

(3)

慢性腎不全の患者[腎機能が悪化することがあるので、血清クレアチニン等を定期的に検査し、基礎疾患の進行の観察を十分に行い、悪化が認められた場合は本剤を減量するなど慎重に投与すること。]

<解説>

(1)GHは細胞増殖作用を有する。このため脳腫瘍(頭蓋咽頭腫、下垂体腺腫、松果体腫等)後の続発性成長ホルモン分泌不全性低身長症の患者においては、本剤投与により脳腫瘍の再発率上昇の可能性が考えられる。AGHDの成因の多くは、頭蓋咽頭腫、下垂体腺腫、松果体腫などの良性の腫瘍である。脳腫瘍は完全に除去することが難しく、腫瘍が再び増大するリスクをAGHD患者はもっているため、慎重な観察を継続することは大切であることから、成長ホルモン分泌不全性低身長症と同様、AGHD患者においても慎重投与することとした。

(2)GHは近位尿細管でのリン酸塩の再吸収を促進するとともに、Na、K、Cl及び細胞外液を増加させる。この作用により、一過性の浮腫があらわれることがあるので、心疾患、腎疾患の患者に投与の際には観察を十分に行い慎重に投与することとした。

(3)慢性腎不全の患者については腎機能検査を定期的に実施し、腎不全の進行を十分観察する必要があることから設定した。

6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法

(1)

高度な肥満、呼吸器障害又は睡眠時無呼吸の既往、呼吸器感染の要因をもつプラダーウィリー症候群の小児患者において、本剤投与に伴う死亡例が報告されている。また、これら要因をもつ男性患者ではさらに危険性が高まる可能性がある。

従って、プラダーウィリー症候群の患者のうち、高度な肥満又は重篤な呼吸器障害のある患者には投与しないこと。

また、プラダーウィリー症候群における低身長の患者に投与する場合、以下の点に注意すること。

i

1)

投与に際し、上気道閉塞がないことを確認すること。本剤投与中に上気道閉塞の徴候(いびきの発現又は増加等も含む)を示した場合は、本剤の投与を中止すること。

i

2)

睡眠時無呼吸の有無を確認し、睡眠時無呼吸が疑われる場合は観察を十分に行うこと。

i

3)

患者が効果的な体重管理を行っていることを確認すること。

i

4)

呼吸器感染の徴候の有無を十分に観察し、感染症に対する適切な処置を行うこと。

<解説>

「高度な肥満又は重篤な呼吸器障害のあるプラダーウィリー症候群の患者」への投与は「禁忌」としたが、報告された死亡例の特徴及び死亡状況からいくつかのリスク因子が考えられるため、「禁忌」に記載するに至った根拠及びリスク因子を記載した。

(2)

プラダーウィリー症候群の基本的治療である食事療法、運動療法を行った上で適応を考慮すること。

(3)

プラダーウィリー症候群における低身長の患者に投与する場合、基礎疾患による臨床症状について以下のとおり観察を十分に行うこと。

i

1)

投与に際しては、血糖値、HbA1c等の検査を実施し糖尿病がないことを確認すること。また、投与中も定期的に検査を実施すること。

i

2)

脊柱変形(側弯)が過度に進行するおそれがあるので、本剤投与中は理学的検査及びX線検査等を定期的に実施し観察を十分に行うこと。

<解説>

プラダーウィリー症候群では、基礎疾患として糖尿病を有している可能性があるため、本剤の投与に際し、患者に糖尿病のないことを確認する必要がある。また、投与中も血糖値、HbA1Cなどの検査を定期的に実施し、糖代謝の観察を十分行うことを設定した。

プラダーウィリー症候群では側弯症を合併している場合が多く、本剤を投与することによって側弯症が過度に進行する可能性がある。そのため、本剤の投与に際し、患者の脊柱変形(側弯)の程度を確認し、投与中の過度な進行を避けるため、理学的検査、X線検査等を定期的に実施し、脊柱変形(側弯)の観察を十分行うことを設定した。

(4)

成人成長ホルモン分泌不全症患者では脳腫瘍の既往のある患者が多く含まれており、国内臨床試験において本剤の治療で脳腫瘍が再発したとの報告があるため、脳腫瘍の既往のある患者に本剤を投与する場合は定期的に画像診断を実施し、脳腫瘍の発現や再発の有無を注意深く観察すること。

<解説>

1989年12月から2004年末日までに市販後部門で集積され、厚生労働省に報告された脳腫瘍に関する国内症例43例の内、脳腫瘍を再発、又は腫瘍の病歴ありで脳腫瘍の発現した症例は35例(成人9例、小児26例)、腫瘍の病歴なしに新たに脳腫瘍を発現したと思われる症例は8例(成人2例、小児6例)であった。国内の治験が開始された1999年9月から2004年3月末日までに、厚生労働省に報告した脳腫瘍に関する海外症例37例の内、脳腫瘍を再発、又は腫瘍の病歴ありで脳腫瘍の発現した症例は33例(成人21例、小児12例)、腫瘍の病歴なしに新たに脳腫瘍を発現したと思われる症例は4例(成人3例、小児1例)であった。GHが細胞増殖作用を有することや腫瘍再発の報告もあることから、投与中に画像診断等を実施することは重要であるため設定した。悪性腫瘍が疑われる場合には投与を中止すること。なお、既に悪性腫瘍のある患者に対しては「禁忌」としている。また、脳腫瘍の既往のある場合は、特に慎重に投与すること。

「[-5慎重投与内容とその理由」参照。

(5)

成人成長ホルモン分泌不全症患者では本剤の投与中は、血清IGF-T値が基準範囲上限を超えないよう、定期的に検査を実施すること。検査頻度については、「用法・用量に関連する使用上の注意」の項を参照すること。

<解説>

GH補充に対する反応性は個体差が大きく、特に比較的高い年齢の患者ではその感受性が高いことから低用量から開始する必要がある。さらに、AGHD患者では細胞外液が減少しているため補充療法とともに体液貯留がおこり、浮腫、関節痛等が一過性かつ用量依存的に起こる可能性があるため、安全性を確保する目的で設定した。

「X-2[用法・用量に関連する使用上の注意]」参照。

(6)

成人成長ホルモン分泌不全症患者では本剤の投与により血糖値、HbA1Cの上昇があらわれることがあるため、定期的に血糖値、HbA1Cあるいは尿糖等を測定し、異常が認められた場合には投与量の減量あるいは投与中止を考慮すること。

<解説>

GHは抗インスリン様作用を有するため、耐糖能の低下を招くおそれがあり、定期的に血糖値、HbA1C、尿糖等のモニタリングを行う必要があることから設定した。

(7)

成人成長ホルモン分泌不全症患者では本剤の投与により浮腫、関節痛等があらわれることがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与量の減量あるいは投与中止を考慮すること。

<解説>

AGHD患者では細胞外液が減少しており、GHを補充すると、その電解質貯留作用により細胞外液を貯留する方向に作用することから、国内臨床試験において体液貯留に関連する浮腫、関節痛等の副作用が認められた。またそれらは初期用量として高用量を設定した時に多く発現していることから、副作用を考慮しながら用量調節することによりこれらの副作用の発現をある程度抑制できると考え設定した。

(8)

成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)の患者に投与する場合、内分泌専門医あるいは内分泌専門医の指導のもとで治療を行うこと。

<解説>

AGHDの患者ではGHを含め複数の下垂体ホルモンの分泌低下を有することが多く、AGHDの診断あるいは治療開始にあたっては、GH分泌刺激試験を実施する必要があることから2)、内分泌専門医あるいは内分泌専門医の指導のもとで治療を行うべきであると考え設定した。

(9)

SGA性低身長症患者に投与する場合には、治療前及び治療中にIGF-Tを3ヵ月から6ヵ月に1回、HbA1c、空腹時又は随時血糖、TSH、fT4、骨年齢を6ヵ月から1年に1回測定すること。異常が認められた場合には投与中止を考慮すること。

<解説>

国内ガイドライン4)に基づき、検査項目及び測定間隔を設定した。なお、一般的検査項目は記載していない。

(10)

SGA性低身長症患者に投与する場合、本疾患の治療に精通した医師(小児内分泌専門医等)あるいはその指導のもとで治療を行うこと。

<解説>

SGA性低身長症の治療に際しては、本剤の投与対象となる患者の選択や、治療効果及び有害事象の確認等の必要があるため設定した。

7.相互作用

(1)併用禁忌とその理由

該当事項なし

(2)併用注意とその理由

i





i

併用注意(併用に注意すること)


i

薬剤名等

臨床症状・措置方法

機序・危険因子

i
i

糖質コルチコイド

成長ホルモンの成長促進作用が抑制されることがある。

糖質コルチコイドが成長抑制効果を有するため。


i

インスリン

インスリンの血糖降下作用が減弱することがある。

成長ホルモンが抗インスリン様作用を有するため。


i

甲状腺ホルモン

甲状腺ホルモン補充療法を受けている患者では、本剤投与により軽度の甲状腺機能亢進様症状を起こすことがあるので、本剤による治療開始後及び本剤の投与量変更後に甲状腺機能検査を行うことが望ましい。

T4からT3への転換が促進され、血清T4の低下及び血清T3の増加が生じる。


i





<解説>28) 29)

糖質コルチコイド:糖質コルチコイドはGHの成長因子の作用や、軟骨細胞等の増殖を抑制することにより、成長発育を抑制することが知られている28)

インスリン   :GHの抗インスリン様作用のためインスリンの血糖降下作用が減弱し、糖尿病の患者では血糖値のコントロールが困難になるおそれがあるため設定した。

甲状腺ホルモン :外国において、ソマトロピン製剤と甲状腺ホルモンとの併用により軽度の甲状腺機能亢進様症状を起こす可能性があるとの報告があったため記載した29)

8.副作用

(1)副作用の概要

○成長ホルモン分泌不全性低身長症

i

調査症例数5,881例中、副作用発現症例は236例(4.01%)であった。その主なものは、耐糖能低下41件(0.70%)、ALT(GPT)上昇22件(0.37%)、AST(GOT)上昇21件(0.36%)、CK(CPK)上昇21件(0.36%)、顕微鏡的血尿16件(0.27%)等であった。(承認時までの調査及び市販後の使用成績調査の集計)

○ターナー症候群における低身長

i

承認時までの臨床試験(198例)において18例(9.09%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。その主なものは、異型リンパ球出現4件(2.02%)、顕微鏡的血尿4件(2.02%)、トリグリセライド上昇3件(1.52%)、遊離脂肪酸上昇3件(1.52%)、尿蛋白陽性3件(1.52%)等であった。ジェノトロピン製剤の市販後における使用成績調査(242例)において臨床検査値異常を含む副作用は10例(4.13%)に認められ、顕微鏡的血尿3件(1.24%)、AST(GOT)上昇2件(0.83%)、ALT(GPT)上昇2件(0.83%)、トリグリセライド上昇2件(0.83%)等であった。(再審査終了時)

○慢性腎不全における低身長

i

承認時までの臨床試験(118例)において21例(17.8%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。その主なものは、血清クレアチニン上昇2例(1.7%)、BUN上昇2例(1.7%)等の腎機能障害、慢性腎不全に合併する骨異形成症の進行(くる病性変化の促進)1例(0.8%)、耐糖能異常3例(2.5%)等であった。

○プラダーウィリー症候群における低身長

i

承認時までの海外で行われた臨床試験45例中、副作用発現症例は10例(22.2%)であった。各発現件数は、頭痛、浮腫、攻撃性各2件(4.4%)、脱毛、関節痛、筋痛、頭蓋内圧亢進各1件(2.2%)等であった。

<解説>

各適応症毎に臨床試験等の結果をまとめた。項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧を以下に示す。

副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧

副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧(続き)

○成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)

i

承認時までの臨床試験(73例)において46例(63.0%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。その主なものは、浮腫12例(16.4%)、筋脱力9例(12.3%)、感情不安定9例(12.3%)、ALPの上昇9例(12.3%)、無気力・集中力低下8例(11.0%)、関節痛7例(9.6%)、尿潜血・顕微鏡的血尿7例(9.6%)等であった。

<解説>

成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る):承認時までの臨床試験結果をまとめた。

副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧

○SGA性低身長症

i

国内で行われた承認時までの臨床試験67例中、副作用発現症例は23例(34.3%)であった。その主なものは、関節痛・下肢痛等の成長痛5例(7.5%)、頭痛4例(6.0%)、投与部位の出血4例(6.0%)等であった。

<解説>

骨端線閉鎖を伴わないSGA(small-for-gestational age)性低身長症:国内で実施された臨床試験結果(4年間投与)をまとめた。

 副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧

1)重大な副作用と初期症状

@痙攣(頻度不明)注):痙攣があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

注)ソマトロピン製剤の市販後調査及び自発報告において認められている。

<解説>

ソマトロピン製剤共通の注意事項である。

国内においてソマトロピン製剤との因果関係が否定できない痙攣が集積されたことから、注意を喚起するために記載した。異常が認められた場合には投与を中止、抗痙攣剤の投与など、適切な処置を行うこと。

[症例の概要]

A甲状腺機能亢進症(頻度不明)注):甲状腺機能亢進症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

注)ソマトロピン製剤の市販後調査及び自発報告において認められている。

<解説>

ソマトロピン製剤共通の注意事項である。

国内においてソマトロピン製剤との因果関係が否定できない甲状腺機能亢進症が集積されたことから、注意を喚起するために記載した。異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

[症例の概要]

Bネフローゼ症候群(頻度不明)注):ネフローゼ症候群(浮腫、尿蛋白、低蛋白血症)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

注)ソマトロピン製剤の市販後調査及び自発報告において認められている。

<解説>

ソマトロピン製剤共通の注意事項である。

国内においてソマトロピン製剤との因果関係が否定できないネフローゼ症候群が集積されたことから、注意を喚起するために記載した。異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

[症例の概要]

C糖尿病(頻度不明)注):耐糖能低下があらわれ、糖尿病を発症することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

注)ソマトロピン製剤の市販後調査及び自発報告において認められている。

<解説>

ソマトロピン製剤共通の注意事項である。

GHは抗インスリン様作用を有するため、耐糖能の低下を招くおそれがある。特に糖尿病の危険因子がある患者に投与する場合は、定期的に血糖値、HbA1Cあるいは尿糖などを測定するなど十分に経過観察を行うこと。本剤投与中の患者に糖尿病が示唆される症状(口渇、多飲、多尿、頻尿等)を認めた場合には、速やかに検査を実施すること。糖尿病と診断された場合は、本剤の投与を中止して速やかに糖尿病に対する治療を行うこと。

[症例の概要]

2)その他の副作用

i

次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。

〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わない次の疾患における低身長(ターナー症候群、慢性腎不全、プラダーウィリー症候群)、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症〉

i i

0.1%以上

0.1%未満

頻度不明

i
i

過敏症注1)

i

湿疹、発疹、蕁麻疹、全身瘙痒

紅斑


i

内分泌

甲状腺機能低下症注2)、耐糖能低下注3)




i

筋・骨格系

関節痛・下肢痛等の成長痛、慢性腎不全に合併する骨異形成症の進行注4)

大腿骨骨頭壊死、大腿骨骨頭辷り症、踵骨骨端炎、筋痛、ミオグロビン上昇、側弯症等の脊柱変形の進行

有痛性外脛骨、exostosis、周期性四肢麻痺


i

代謝異常

CK(CPK)上昇、LDH上昇、トリグリセライド上昇

遊離脂肪酸上昇、血清P上昇、総蛋白減少



i

泌尿器

慢性腎不全における血清クレアチニン、BUNの上昇注5)、尿潜血・顕微鏡的血尿、蛋白尿




i

肝  臓

AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇




i

消化器

i

嘔気、腹痛、胃腸炎、口腔嚢胞



i

精神神経系

頭痛

攻撃性



i

血  液

貧血、好酸球増多

白血球数上昇、異型リンパ球出現



i

投与部位

i

出血、発赤、皮下脂肪の消失、硬結、疼痛

熱感


i

全身症状

i

浮腫、胸部不快感、発熱



i

その他

i

脱毛、喘息・気管支炎、いぼ、アデノイド肥大、扁桃肥大、鼻膿瘍

頭蓋内圧亢進に伴う乳頭浮腫・視覚異常・頭痛・悪心及び嘔吐注6)


i

注1:発現した場合は投与を中止すること。

注2:甲状腺機能を定期的に検査し、甲状腺機能低下症があらわれあるいは悪化した場合には

   適当な治療を行うことが望ましい。

注3:定期的に尿糖、HbA1C等の検査を実施することが望ましい。

注4:進行がみられた場合は適切な治療を行うこと。

注5:異常な上昇があらわれた場合には投与を中止すること。

注6:発現した場合は投与を中止あるいは減量すること。

   [「[-15その他の注意」(3)の項参照]


i



i

〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉

i i

5%以上

5%未満

頻度不明

i
i

過敏症注1)

i

湿疹、発疹



i

内分泌

甲状腺機能低下症注2)

耐糖能低下注3)、月経困難



i

筋・骨格系

関節痛、筋脱力、筋痛、四肢のこわばり

腱炎、腱障害、腱鞘炎、関節炎、肩関節の違和感、踵骨棘、四肢痛、胸骨痛



i

代謝異常

ALPの上昇

血清ナトリウム低下、血清クロール低下、リン脂質上昇、血清無機リン上昇、LDL-コレステロール上昇、血清カルシウム上昇、トリグリセライド上昇



i

泌尿器

尿潜血・顕微鏡的血尿

蛋白尿、顔面浮腫



i

肝・胆道系

AST(GOT)の上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTPの上昇

胆のうポリープ



i

消化器

i

嘔気、嘔吐、腹痛、消化不良、便秘



i

精神神経系

頭痛、不安、うつ状態、感情不安定、無気力・集中力低下、知覚減退、疎外感

食欲亢進、傾眠、不眠、めまい

異常感覚

i
i

血液

i

貧血、白血球数上昇、白血球異常、好酸球上昇



i

循環器

i

血圧上昇、不整脈



i

投与部位

出血

熱感



i

全身症状

浮腫

背部痛、熱感、疲労、倦怠感



i

その他

i

難聴、喀血、喘息、単純疱疹、脱毛、真菌性皮膚炎、多汗、ガングリオン、白内障、眼痛、飛蚊症、眼の乾燥、不正咬合、歯周炎、体重増加、副鼻腔炎、顔面痛



i

*海外のみで報告

注1:発現した場合は投与を中止すること。

注2:甲状腺機能を定期的に検査し、甲状腺機能低下症があらわれあるいは悪化した場合には

   適切な治療を行うことが望ましい。

注3:定期的に尿糖、HbA1C等の検査を実施することが望ましい。


i



<解説>

詳細な情報については、「副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧」を参照すること。

(2)項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧

該当資料なし

(3)基礎疾患、合併症、重症度及び手術の有無等背景別の副作用発現頻度

該当資料なし

(4)薬物アレルギーに対する注意及び試験法

該当資料なし

9.高齢者への投与

一般に高齢者では、生理機能が低下している。また、外国において、成人成長ホルモン分泌不全症患者における成長ホルモン維持用量は加齢に伴い減少することが報告されている。そのため、高齢者に使用する場合は、投与量の減量あるいは投与中止も考慮に入れて、慎重に投与すること。

<解説>

国内では、高齢者(65歳以上)を対象に含む臨床試験を実施していないが、外国での臨床試験において年齢で層別した場合の有害事象の発現率及びコンセンサスガイドライン3)の記述の「高齢者では注意深い観察が必要である」、また、本剤による治療においては、単に生理機能の低下だけでなく、GH分泌量自体が加齢により減少し、感受性が上昇することも指摘されていることから本剤による補充療法は、効果と副作用を考慮して投与量の減量や投与中止が必要であるため設定した。

10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与

(1)妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

(2)授乳婦

本剤投与中は、授乳を避けさせること。[母乳中への移行については不明である。]

<解説>

ラットにおける生殖発生毒性試験では、胚・仔致死作用、催奇形作用、胎内発育への影響及び生後の機能分化、発育への影響は認められなかった。しかしながら、動物実験の結果が必ずしもヒトでの参考にはならないこと、ヒトにおいては疫学的な検討等の十分なデータがなく、妊娠中の投与に関する安全性は確立していないことから妊婦または妊娠している可能性のある婦人への投与は禁忌とした。

なお、乳汁中への移行については不明である。

11.小児等への投与

該当しない

12.臨床検査結果に及ぼす影響

該当しない

13.過量投与

過量投与により最初は血糖低下が、次いで血糖上昇が認められることがある。長期の過量投与により先端巨大症の症状が認められることがある。

<解説>30) 31)

GHの糖代謝に対する短期的な作用に血糖降下作用が、長期的な作用に耐糖能の低下作用があり、過量投与によりこれらの作用が助長される可能性がある30)

また、長期的な過量投与により先端巨大症の症状が認められることがある31)

なお、本剤の市販後調査(国内)において過量投与で発現した副作用は報告されていない。

疾患名「末端肥大症」について、現在の医学会及び医療現場において優先して使用されている「先端巨大症」に変更する記載整備を行った。

14.適用上及び薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等)

ジェノトロピンTC注用5.3mg、ジェノトロピンTC注用12mg

(1)調製方法

i

本剤を使用する場合は、専用の注入器を用いて溶解・注射するか、又は専用の溶解器を用いて溶解すること。

i

1)専用の注入器を用いる場合

i

@

本剤を注入器筒部に挿入し、ネジを回して筒部を合体させることにより、ソマトロピン(遺伝子組換え)の粉末と溶解液を混合し、静かに円を描くように回して溶解すること。(激しく振盪しないこと。)

i

A

溶解後、注入器の使用方法に従って注射すること。

i

2)専用の溶解器を用いる場合

i

@

本剤を溶解器にセットし、内筒をねじ込むことにより、ソマトロピン(遺伝子組換え)の粉末と溶解液を混合し、静かに円を描くように回して溶解すること。(激しく振盪しないこと。)

i

A

溶解後、通気針を刺して本剤(カートリッジ前部)中の空気を抜いた後、注射器に取って注射すること。

(2)保存時

i

溶解後は専用の注入器又は溶解器に取りつけたまま、凍結を避け2〜8℃で遮光保存し、4週間以内に使用すること。(溶解後凍結した場合は使用しないこと。)

(3)筋肉内注射時

i

筋肉内注射する場合には、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。

i

1)

同一部位への反復注射は行わないこと。

i

2)

神経走行部位を避けること。

i

3)

注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。

i

4)

注射部位に疼痛、硬結をみることがある。

(4)皮下注射時

i

皮下注射する場合には、注射部位を上腕、大腿、腹部、臀部等広範に求め、順序よく移動し、同一部位に短期間内に繰り返し注射しないこと。

(5)その他

i

感染症の原因となるおそれがあるので、1本の本剤を複数の患者に使用しないこと。

<解説>

(2)溶解後の安定性に基づいて設定した。

   「W-5溶解後の安定性」参照

(4)長期間連日皮下注射にて適用されるインスリン製剤に準じて設定した。

(5)本剤は、個人専用の医薬品ペン型注入器を使用して複数回投与が可能な製剤であることから、使用時に血流がカートリッジ内に逆流した場合、感染症の原因となる可能性があるため、複数の患者に使用しないよう注意喚起を行うこととした。

ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg・1.0mg・1.4mg

(1)調製方法

i

1)

注入器先端部のゴム栓をエタノール綿等で清拭すること。

i

2)

ゴム栓に注射針をしっかりとねじ込むこと。

i

3)

注射針を上方に向けて注入器本体を持ち、内筒を時計回りに完全にねじ込むことにより薬剤及び溶解液を混合する。注入器を数回軽く傾け、薬剤が完全に溶解していることを確認すること。(激しく振盪しないこと。)

(2)投与時

i

1)

本剤は1人の患者に1回のみ使用すること。

i

2)

本剤は皮下注射のみに使用し、注射部位を上腕、大腿、腹部、臀部等広範に求め、順序よく移動し、同一部位に短期間内に繰り返し注射しないこと。

(3)調製後の使用

i

溶解後はできるだけ速やかに使用すること。保存する場合には、凍結を避け、2〜8℃で遮光保存し、24時間以内に使用すること。(溶解後凍結した場合は使用しないこと。)

(4)保存時

i

患者が家庭で保管する場合においても冷蔵庫内で遮光保存することが望ましいが、室温(25℃以下)で遮光保存することもできる。この場合には、3ヵ月以内に使用し、再び冷蔵庫に戻さないよう指導すること。

<解説>

(2)1)本剤は一回ごとの使い切りの製剤であることを明記した。

   2)長期間連日皮下注射にて適用されるインスリン製剤に準じて設定した。

(3)、(4)溶解後の安定性に基づいて設定した。

   「W-5溶解後の安定性」参照

15.その他の注意

ジェノトロピンTC注用5.3mg、ジェノトロピンTC注用12mg

ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg・1.0mg・1.4mg

(1)

ヒト成長ホルモンと白血病の因果関係は明らかではないが、ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に白血病があらわれたとの報告があるので、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。白血病、悪性腫瘍を発生しやすい先天異常、免疫不全症候群等の基礎疾患のある患者、脳腫瘍などによる放射線治療歴のある患者、抗がん薬や免疫抑制薬の投与歴のある患者、治療開始時の血液像に異常がある患者に投与する場合には、特に患者の状態を観察すること。

<解説>32) 33)

hGHと白血病の関連については、全世界で継続的に検討が行われているが、最近の総論説32)によると、危険因子のない例ではGH治療により白血病発症の危険性はないが、危険因子のある例ではGH治療により白血病の発現率が高まるかどうかの結論は出ていないとされている。なお、海外の市販後の小児における大規模データの最新のまとめ33)では、GH治療と白血病の発症及び再発との因果関係は否定的であるとされている。

しかしながら、本剤による治療を行う場合には、投与前に白血病発症の危険因子の有無を検討するとともに、投与中には定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

(2)ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に脳腫瘍が再発したとの報告がある。

<解説>

「[-6重要な基本的注意とその理由及び処置方法」(4)参照

(3)

慢性腎不全の患者においては、成長ホルモン分泌不全症の患者と比較して、ヒト成長ホルモン投与による頭蓋内圧亢進の発現頻度が高いとの報告がある。

<解説>34)

慢性腎不全の患者におけるGH投与による頭蓋内圧亢進の発現頻度は、GH分泌不全症の発現頻度よりも高いとの報告があったため設定した。

(4)

成人成長ホルモン分泌不全症患者に本剤と本剤以外のホルモン剤を併用する場合には、併用するホルモン剤が血清IGF-T濃度に影響を及ぼすことがあるため、慎重に血清IGF-T濃度をモニタリングすること。

<解説>

AGHD患者ではGH以外にも甲状腺ホルモンなどの他の下垂体ホルモン欠損を合併した場合が多く、これらの患者では、複数のホルモン補充療法が行われている。甲状腺ホルモン、インスリン、女性ホルモンや男性ホルモンはIGF-T濃度に影響を及ぼすことが知られていることから、本剤と共にそれらの補充療法が行われる場合、血清中IGF-T濃度を慎重にモニタリングすることが重要と考えられることから、設定した。

詳細な情報については、「[-7相互作用」の項を参照のこと。

(5)

連続投与した場合、ヒト成長ホルモンに対する抗体が生じることがある。抗体の産生により効果の減弱がみられる場合には、投与を中止し、適宜他の治療法を考慮すること。

<解説>8) 9)

成長ホルモン分泌不全性低身長症47例(hGH製剤による前治療歴のない症例:20例、hGH製剤による前治療歴のある症例:27例)を対象とした臨床試験と、成長ホルモン分泌不全性低身長症25例(hGH製剤による前治療歴のない症例:16例、hGH製剤による前治療歴のある症例:9例)を対象とした臨床試験を併合解析した結果、hGH製剤による前治療歴のない症例では、36例中4例のみに抗hGH抗体の生成が認められた。一方、前治療歴のある症例36例(本剤投与前に抗体価の陽性であった7例を含む)では新たな抗体陽性例は認められず、投与前抗体陽性例中の5例は、試験の経過とともに抗体価が低下した。

ジェノトロピンTC注用5.3mg、ジェノトロピンTC注用12mgのみ

(6)外国において、溶解液(m-クレゾール含有)に関連した筋炎があらわれたとの報告がある。

<解説>35)

外国において、本剤の溶解液の添加物であるm-クレゾールに関連した筋炎が現れたとの報告があるため記載した。注射部位で筋肉痛または疼痛が生じた場合は筋炎が疑われ、筋炎であることが確認された場合は、m-クレゾールを含有しない製剤を投与すること。

ジェノトロピンTC注用5.3mg、ジェノトロピンTC注用12mg

(7)

動物実験で妊娠前、妊娠初期投与試験において、高投与量群で交尾率及び妊娠率の低下が報告されている。

ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg・1.0mg・1.4mg

(6)

動物実験で妊娠前、妊娠初期投与試験において、高投与量群で交尾率及び妊娠率の低下が報告されている。

<解説>

ラットによる妊娠前及び妊娠初期投与試験、ラット及びウサギによる胎仔の器官形成期投与試験、ラットによる周産期及び授乳期投与試験でジェノトロピンの催奇形性をうかがわせる所見は認められなかった。しかし、ラットの妊娠前及び妊娠初期投与試験でジェノトロピン3.5mg/kg/日(臨床用量の140倍)投与群で、交尾率及び妊娠率の低下がみられたので、記載した。

16.その他

該当事項なし

IX.非臨床試験に関する項目

1.一般薬理36)

成長促進作用以外のホルモン作用として、インスリン様作用、耐糖能低下作用、脂肪分解作用、不応性及びプロラクチンレセプター誘導作用を示す。これらの作用は、下垂体抽出ヒト成長ホルモンと同程度である。

中枢神経系、呼吸・循環系、自律神経系、平滑筋、消化器系、神経・筋伝達、腎機能、血液凝固、脂質代謝等に対する著明な薬理作用は認められない。

2.毒性

(1)単回投与毒性試験37)

マウス、ラット及びアカゲザルに対する各投与経路での投与可能な最大投与量において、いずれの場合も症状の発現及び死亡例は認められなかった。

(2)反復投与毒性試験38)

1)ラット3ヵ月皮下投与試験及びサル3ヵ月皮下投与試験

2)サルにおける12ヵ月間反復皮下投与毒性試験

性的に成熟したカニクイザル(雌雄)にジェノトロピンをそれぞれ1日1回0.13、0.65、3.23mg/kg/日の投与量で52週間反復皮下投与した結果、3.23mg/kg/日にて乳腺腺房の過形成及び月経周期の延長あるいは消失の頻度上昇が認められたため、無毒性量は0.65mg/kg/日と考えられた。

(3)生殖発生毒性試験

1)妊娠前・妊娠初期投与試験39) 40)

SD系ラットに1、3又は10IU/kg/日を連続皮下投与した試験で、10IU/kg群で雌雄の交尾率、妊娠率の低下が認められたが、着床、胚・仔致死作用、催奇形作用及び胎内発育への影響は認められなかった。

2)器官形成期投与試験41)

SD系ラットに1、3又は10IU/kg/日を連続皮下投与した試験で、胚・仔致死作用、催奇形作用、胎内発育への影響は認められず、また出生仔の機能、分化、発育への影響も認められなかった。

3)周産期・授乳期投与試験42)

SD系ラットに1、3又は10IU/kg/日を連続皮下投与した試験で、仔では10IU/kg群で授乳期に一過性の体重増加の促進が認められたが、生後の機能、分化への影響は認められなかった。

(4)その他の特殊毒性

1)抗原性試験43)

サルにおける3ヵ月連続皮下投与試験で、サル血清中にヒト成長ホルモンに対する抗体の生成は認められなかった。

またモルモットにおける抗原性試験で、皮内反応、全身性アナフィラキシー反応、PCA反応及びゲル内沈降反応はいずれも陽性であり、これらはいずれも異種蛋白に対する反応と考えられた。

2)変異原性試験44)

サルモネラ菌及び大腸菌を用いた復帰変異試験及びマウスリンパ種細胞を用いた遺伝子突然変異性試験、ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験及びラットを用いた骨髄細胞染色体異常試験のいずれにおいても、変異原性は認められなかった。

3)局所刺激性試験45) 46)

○ジェノトロピン及びジェノトロピンカビクイック2IU・3IU・4IU

ウサギの筋肉内投与による局所刺激性試験で、局所障害性の程度は生理食塩水と同程度であることが確認された。

○ジェノトロピン16IU

ウサギの筋肉内投与による局所刺激性試験で、局所障害性の程度は生理食塩水よりもやや強いが、0.75%酢酸よりも著しく軽微であった。

                                 (3IUは1mgに相当)

X.取扱い上の注意等に関する項目

1.有効期間又は使用期限

使用期限

36ヵ月:ジェノトロピンTC注用5.3mg、ジェノトロピンTC注用12mg、

    ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg・1.0mg・1.4mg

2.貯法・保存条件

凍結を避け2〜8℃に遮光保存すること

3.薬剤取扱い上の注意点

注意−医師等の処方せんにより使用すること

4.承認条件

該当事項なし

5.包装

ジェノトロピンTC注用5.3mg:1カートリッジ

ジェノトロピンTC注用12mg:1カートリッジ

ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg:1キット

ジェノトロピンミニクイック皮下注用1.0mg:1キット

ジェノトロピンミニクイック皮下注用1.4mg:1キット

6.同一成分・同効薬

同一成分薬:ノルディトロピン、ヒューマトロープ、サイゼン、グロウジェクト、セロスティム

同効薬:ヒト成長ホルモン

7.国際誕生年月日

1987年3月8日

8.製造・輸入承認年月日及び承認番号

9.薬価基準収載年月日

ジェノトロピンTC注用5.3mg       :2009年9月25日

ジェノトロピンTC注用12mg        :2009年9月25日

ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg:2004年7月9日

ジェノトロピンミニクイック皮下注用1.0mg:2004年7月9日

ジェノトロピンミニクイック皮下注用1.4mg:2004年7月9日

10.効能・効果追加、用法・用量変更追加等の年月日及びその内容

1991年1月18日  成長ホルモン分泌不全を示す骨端線閉鎖を伴わない

ターナー症候群における低身長

1997年7月2日  骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長

2001年2月27日  骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長

2002年1月17日  骨端線閉鎖を伴わないプラダーウィリー症候群における低身長

2006年7月26日  成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)

2008年10月16日 骨端線閉鎖を伴わないSGA(small-for-gestational age)性低身長症

11.再審査結果、再評価結果公表年月日及びその内容

骨端線閉鎖を伴わない下垂体性小人症(現成長ホルモン分泌不全性低身長症)

平成14年9月25日に、薬事法第14条第2項各号(承認拒否事由)のいずれにも該当しないとの再審査結果が通知された。

骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長

平成16年3月23日に、薬事法第14条第2項各号(承認拒否事由)のいずれにも該当しないとの再審査結果が通知された。

12.再審査期間

骨端線閉鎖を伴わない下垂体性小人症(現成長ホルモン分泌不全性低身長症):

 1988年9月20日〜1998年9月19日(終了)

骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長:

 1991年1月18日〜2001年1月17日(終了)

骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長:

 1997年7月2日〜2007年7月1日(終了)

骨端線閉鎖を伴わないプラダーウィリー症候群における低身長:

 2002年1月17日〜2012年1月16日

成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る):

 2006年7月26日〜2010年4月19日

骨端線閉鎖を伴わないSGA(small-for-gestational age)性低身長症:

 2008年10月16日〜2012年10月15日

13.長期投与の可否

本剤は、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)による「投薬期間に上限が設けられている医薬品」には該当しない。

14.厚生労働省薬価基準収載医薬品コード

ジェノトロピンTC注用5.3mg       :2412402D9038

ジェノトロピンTC注用12mg        :2412402L4057

ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg:2412402G9026

ジェノトロピンミニクイック皮下注用1.0mg:2412402P1025

ジェノトロピンミニクイック皮下注用1.4mg:2412402P2021

15.保険給付上の注意

X-1、X-2参照

XI.文献

1.引用文献

1)大磯 ユタカほか:“成人成長ホルモン分泌不全症の診断と治療の手引き(平成20年度改訂)”厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究平成20年度総括・分担研究報告書:126, 2009 [L20090324004]
2)成長科学協会:Turner症候群のヒト成長ホルモン治療適応基準 成長科学協会ホームページ、2006/6/12 [L20060621069]
3)J Clin Endocrinol Metab 83(2):379, 1998 [L49990039090]
4)日本小児内分泌学会、日本未熟児新生児学会 SGA性低身長症におけるGH治療のガイドライン 日本小児科学会雑誌111(4):641, 2007 [L20070507016]
5)Itabashi, K. et al.:Early Human Development 83:327, 2007 [L20080827026]
6)Tanaka, T. et al.:J Pediatr Endocrinol Metab 21(5):423, 2008 [L20080714124]
7)島津 章ほか:“5.日本人成人の血中インスリン様成長因子-1 濃度の基準範囲設定に関する研究”厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業間脳下垂体機能障害に関する調査研究平成18年度総括・分担研究報告書:39, 2007 [L20070308003]
8)高野 加寿恵ほか:薬理と治療15(9):3709, 1987 [L20030527242]
9)高野 加寿恵ほか:薬理と治療16(1):63, 1988 [L20030527281]
10)Takano, K. et al.:Endocrinol Jpn 36(4):569, 1989 [L20030528010]
11)伊藤 克己ほか:日本腎臓学会誌37(3):186, 1995 [L20030528002]
12)高野 加寿恵ほか:Prog Med 19(7):1763, 1999 [L20030626008]
13)社内資料:骨端線閉鎖を伴わないプラダーウィリー症候群(PWS)におけるジェノトロピンの臨床効果 [L20040728061]
14)Chihara, K. et al.:Growth Horm IGF Res 16(2):132, 2006 [L20060526017]
15)社内資料:成人成長ホルモン分泌不全症(AGHD)患者に対するジェノトロピンの長期投与試験 [L20060607051]
16)Chihara, K. et al.:Growth Horm IGF Res 18(4):307, 2008 [L20080304001]
17)社内資料:SGA性低身長症に対する長期投与時の有効性及び安全性(第V相試験の延長試験) [L20080821138]
18)肥塚 直美:臨床医28(増):1070, 2002 [L49990143575]
19)社内資料:ジェノトロピン(r-hGH、SM-9500)の成長促進作用 [L20040728063]
20)森 育枝ほか:薬理と治療26(11):1849, 1998 [L49990048579]
21)田原 誠ほか:応用薬理70(3-4):53, 2006 [L20060629020]
22)Takano, K. et al.:Endocrinol Jpn 35(3):477, 1988 [L20030528072]
23)社内資料:ジェノトロピン16IU製剤の健常成人男子における生物学的同等性試験 [L20040806008]
24)社内資料:PNU-180307 12mg(ジェノトロピン注射用12mg(現ジェノトロピンTC注用12mg))通常用量での血中濃度及び5.3mg製剤との生物学的同等性 [L20040520005]
25)社内資料:ジェノトロピンミニクイック(PNU-180307MQ)の薬物動態試験(単回皮下投与) [L20040728065]
26)社内資料:慢性腎不全小児におけるジェノトロピン投与後の血中濃度の推移−単回投与−(海外データ) [L20040728062]
27)Tonshoff, B. et al.:Pediatr Nephrol 5(4):454, 1991 [L20030528081]
28)Felig, P. et al.:Endocrinology and metabolism 2nd ed. McGraw-Hill Book:557, 1987 [L20030701021]
29)Jorgensen, J. O. et al.:J clin Endocrinol Metab 69(6):127, 1989 [L49990117684]
30)Gustafsson, J.:Acta Paediatr Scand Suppl 362:50, 1989 [L20030529099]
31)Randall, R. V. et al.:"Chapter 26 Acromegaly and Giganitism" Endocrinology 1 Degroot, L. J. ed. 2nd. ed. W. B. Saunders:330, 1989 [L49990015026]
32)西 美和:内分泌・糖尿病科15(Suppl.1):291, 2002 [L49990138305]
33)Wyatt, D.:Eur J Endocrinol 151(Suppl.1):S55, 2004 [L20041104153]
34)Koller, E. A. et al.:Pediatr Nephrol 11(4):451, 1997 [L49990070620]
35)Yordam, N. et al.:J Pediatr 125(4):671, 1994 [L49990117681]
36)三野 照正ほか:医学と薬学40(1):73, 1998 [L49990052075]
37)甲田 彰ほか:基礎と臨床21(17):6351, 1987 [L20030528009]
38)社内資料:ジェノトロピン(r-hGH、SM-9500)の亜急性毒性 [L20040728148]
39)上島 みゆきほか:薬理と臨床8(4):397, 1998 [L49990052574]
40)柴野 隆司ほか:薬理と臨床8(4):413, 1998 [L49990052575]
41)上島 みゆきほか:薬理と臨床8(4):421, 1998 [L49990052576]
42)上島 みゆきほか:薬理と臨床8(4):437, 1998 [L49990052577]
43)社内資料:ジェノトロピン(r-hGH、SM-9500)の抗原性試験 [L20040728149]
44)小木曾 重文ほか:基礎と臨床21(17):6361, 1987 [L20030528012]
45)中西 とし子ほか:基礎と臨床21(17):6355, 1987 [L20030528013]
46)社内資料:ジェノトロピン16IUの筋肉刺激性試験 [L20040728064]

2.その他の参考文献

特になし

XII.参考資料

主な外国での発売状況

主な外国での発売状況(商品名)は以下のとおりである。

上記を含む世界約90ヵ国及び地域で承認されている(2007年12月現在)。

GHD:成長ホルモン分泌不全性低身長症

TS :ターナー症候群

CRI:慢性腎不全

GHD in adult:成人成長ホルモン分泌不全症

PWS:プラダーウィリー症候群

SGA:SGA(small-for-gestational age)性低身長症

XIII.備考

その他の関連資料

<参考>日本人血中IGF-T濃度基準範囲(「第一」キット)7)

<参考>日本人血中IGF-T濃度基準範囲(「第一」キット)7)(つづき)

文献請求先・製品情報お問い合わせ先

ファイザー株式会社

製品情報センター

〒151-8589

東京都渋谷区代々木3-22-7

学術情報ダイヤル

0120-664-467

FAX

03-3379-3053

i

製造販売

ファイザー株式会社

〒151-8589

東京都渋谷区代々木3-22-7